操舵輪とは船の方向を決めるハンドル

大昔の船のような海賊映画や戦争映画なんかに出てくるでっかい舵輪は舵に接続するまでにいくつもの歯車を介するので回した分だけ舵が動きます。
現代では回転数を減らした車のようなハンドルサイズのものや、左右に傾けただけで舵が取れる飛行機の操縦桿のようなもの、さらにはゲームコントローラーに付いているようなジョイスティック型の物まで登場しています。

面舵と取り舵の由来は干支から来ています。舵輪を干支に見立てて右側の”卯”が最初は「卯の舵」と呼ばれ、時代とともに訛っていき最終的に今定着している「面舵」になりました。取り舵は干支の左側にある”酉”から来ています。こちらは発音としては訛りはしませんでしたが漢字は変化したようですね。

ちなみに現代で面舵と取り舵という名称を使用しているのは海上自衛隊と海上保安庁のみで、それ以外の商船は日本の船であっても英語を使用しています。

現在の操舵はこのような形(オートマ)に変化しています。

面舵に当たるのは「スターボード」といい、取り舵に当たるのは「ポート」といいます。そもそもこのスターボードとポートは右舷(スターボードサイド)と左舷(ポートサイド)の名称でしたが、舵を切る動作にも用いられました。

この二つの名前の由来は、スターボードサイドは最初はステアボードと呼ばれていてその理由は舵を取ることの英語であるステアリングとその板、すなわち舵自体を意味するボードが掛け合わさった物です。昔では右舷には舵が設置されていた事に由来しています。
ポートサイドは昔からポートサイドです。その由来は単純明快で船は基本的に左舷側で港(port)に着けていたからです。
ではなぜ左舷側で港に着けていたのかというと、殆どの船の右舷には先程の舵であったり、ブリッジでの船長席や船内の船長席など船の運航に重要な設備が設置されています。
万が一、港の岸壁に船体が打ち付けられた場合にそれらが損傷しないために右舷側に重要区画が設置されていた所以です。

操舵輪のしくみ

人力操舵装置のしくみ

操舵輪を操って、「舵」(上記写真の船中央にある板を操作する)

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

人力で操舵輪を操る場合、人力操舵装置を用いる。(小型船舶の例)

人力操舵装置とは、舵を直接人の力で操作する方式の操舵装置です。短艇(端艇)や小型ヨットなどの舟艇では、舵の上端部の舵頭に取り付けたチラー(舵柄)やヨーク(横(おう)舵柄)の向きを人力で左右に回転させ、ガジョン(壺金(つぼがね))で支持する艇尾の舵を、ピントル(舵針)を軸に回転させ操舵します。また、汽艇とか小型船舶では、舵頭に取り付けたクロスヘッドやコードラントを、ロッドや歯車さらにはチェーンやワイヤを介して舵輪に連結させ、舵輪を回転操作して舵を人力で動かす操舵方式がとられています。

船を動かすのに動力による操舵機(舵取機とも言う)を用いる方式のものである。そのため舵の操作には大きな力が必要で、人力では困難となる。船舶節義規定によると、長さ60メートルを超える船舶は動力操舵装置を備えることが定められている。 

出典:操舵装置とは|コトバンク
(https://kotobank.jp/word/%E6%93%8D%E8%88%B5%E8%A3%85%E7%BD%AE-89574)

当社お取り扱いの操舵輪はこの、人力操舵・動力操舵機に用いられていたものです。

大きな船は人力では動かない。装置を用いて操舵する。